テストステロン補充は勝ちを保障してくれるものではない


ここ数年、テストステロン補充を巡ってMMA界では大きな議論が巻き起こっていて、先日カリフォルニアのアスレチックコミッションはカリフォルニアで開催されるMMA大会に出場する選手がテストステロン補充を受けることは今後できないことを発表、UFCのデイナ・ホワイトも最近はテストステロン補充に懐疑的と以前とは180℃違う意見に変えてきています。

多くのファンからテストステロン補充を受けているファイターは卑怯だという声が聞かれますが、果たして、テストステロン補充はファイターにどれくらい貢献しているのでしょうか。

最初にこの問題が大きく扱われるようになったのはチェール・ソネンがUFC117でアンデウソン・シウバ戦の後に行われたドーピングテストでテストステロン値が異常に高かった為に失格となり、1年間の出場停止処分を下されたときでした。

その後、一部のファイターはソネンのようにテストステロン補充をするようになりますが、果たしてテストステロン補充は勝ちを保障してくれるのか。

ソネンの場合、2008年からテストステロン補充していることを公聴会で明かしており、デミアン・マイア戦からジョン・ジョーンズ戦まで9試合5勝4敗という成績になっています。

PRIDE32でステロイドを使用してドーピングテスト失格の経験もある元UFCライトヘビー級王者のビクトー・ベウフォートの場合、テストステロン補充が公表されたのは、マイケル・ビスピング戦からで、その後は2連勝を飾っています。また、ベウフォートはこの問題にとても敏感で、ルーク・ロックホールド戦後に行われた記者会見でテストステロン補充について聞かれたベウフォートが記者に向かって暴言を吐くという場面も見られました。

また、これに加えて、UFC152では一人のファイターがテストステロン補充を認められたということだけが公表されており、名前などはわからないものの、大会直前に認められたという事実から、急遽出場が決まったベウフォートではと予想されています。

ダン・ヘンダーソンはこの中でもテストステロン補充が最も長いファイターで、PRIDEの時から使用していることを認めています。UFCでは4勝4敗の成績となっていて、ストライクフォース時代も入れると、7勝5敗となっています。

かつてはUFCで100万件のPPVを売ることができる数少ないスターの内の一人だったランペイジ・ジャクソン、ライアン・ベイダー戦の前に膝を故障してしまったために、早く膝を回復させ、大会に間に合わせるための方法として、医者からテストステロン補充を薦められたのがテストステロン補充をはじめたきっかけのようです。ランペイジ・ジャクソンはベイダー戦も含めて、その後2試合をテストステロン補充を伴って出場。ただ、0勝2敗という結果でした。

先日引退を発表したフォレスト・グリフィン、引退試合となったティト・オーティズ戦に向けたトレーニング期間中にテストステロン補充を受けたことを発表しています。試合はグリフィンが賛否両論の判定勝ちでオーティズを下しています。

当初はケイン・ヴェラスケスと対戦する予定でしたがアリスター・オーフレイムが試合前に行われたドーピングテストをクリアできなかったためオーフレイムの代わりにジュニオール・ドス・サントスと対戦することになったフランク・ミア、この試合が決まった直後に、ミアは初めてテストステロン補充を受けることに決め、ドス・サントス戦、ダニエル・コーミエ戦でテストステロン補充を受けて試合に出場しています。結果は0勝2敗と今のところ効果は発揮できていません。

UFCデビュー戦のUFC102で鮮烈なKO勝ちを飾ったトッド・ダフィー、その後、テストステロン補充を開始しますが、UFC第2戦目となったマイク・ルソー戦ではまさかの逆転負けを喫し、UFCを解雇されてしまいます。UFC155で2年ぶりのUFC復帰を果たし、見事KO勝ちを果たしたダフィー、テストステロン補充を受けてのUFCでの試合では1勝1敗となっています。

UFC128のダン・ミラー戦でニュージャージーアスレチックコミッションよりテストステロン補充を許可されていたネイト・マーコート、試合後に、ニュージャージーアスレチックコミッションより、テストステロンのレベルを下げるように言われたものの、次戦までにテストステロンのレベルを下げることができずに結果ペンシルベニアのアスレチックコミッションよりアンソニー・ジョンソン戦の試合出場許可が下りずにメインイベントを潰してしまったマーコート、その後、UFCから解雇されています。マーコートはその後、テストステロン補充を開始したのはホジマール・パリャーレス戦からと明かし、岡見勇信戦も含めると、計3試合でテストステロン補充を受けて試合に臨んでいたことになります。テストステロン補充を受けてのUFCでの試合では2勝1敗の成績を残していたマーコート、ただ、ストライクフォースに参戦する前にテストステロン補充を止めたようです。

WECやUFCに参戦し、昨年MMAから引退したシェーン ローラー、UFCではメルヴィン・ギラード戦からマイケル・ジョンソン戦までの3試合でテストステロン補充を受けて試合に臨んでいましたが、その全ての試合で敗戦を喫しています。その後、ファンからの批判があったために、テストステロン補充を止め、引退までに2試合を戦い1勝1敗の成績を残しています。

結果、UFCにおいてテストステロン補充を受けて臨んだ試合では15勝17敗と負けのほうが大きく決して勝ちを保障してくれるものではないということがわかります。ただ、これにヘンダーソンのストライクフォース時代の記録と、ベウフォートのUFC152の記録を追加すると、18勝19敗となり、ほぼ50/50の結果になりますが, 個人的にはカリフォルニアのアスレチックコミッションの判断に大賛成です。

http://www.bloodyelbow.com/2013/6/30/4480196/trt-tesosterone-replacement-losing-record-ufc
テストステロン補充は勝ちを保障してくれるものではない テストステロン補充は勝ちを保障してくれるものではない Reviewed by Hideki Azul on 7/01/2013 Rating: 5
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